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代表取締役 小沢様
株式会社小沢製作所

「精密板金」という仕事

昭和50年12月設立し、今期で30期を迎える小沢製作所。5年前に先代から現社長に交代し、先代の磨きあげた技術力と小沢イズムを継承しつつ、柔軟な発想で未来を見据える現社長の想いをインタビューしてみました。
「精密板金」という仕事
裕美:小沢製作所さんのお仕事の内容って「精密板金」でしたよね。

小沢:はい。精密板金って言われてもみなさんよくわからないですよね。

裕美:そうですね。

小沢:身近なところで言うとコピー機や複合機など電子通信機器から、工作機械、半導体製造機器などの主に薄板の構成部品などに用いられる技術で、物をカタチ作るための物を作っているというのが 精密板金といわれる分野ですね。

裕美:物をカタチ作るための物を作る、っておもしろいですね。

小沢:基本的に「板金」は字の如く1枚の金属板が様々なカタチに仕上げられる技術の事です。金属板だった材料が「切る・曲げる・接合する」などの手段を用いて金属容器が出来る様に…。これが先代からずっとやっている「一般精密板金」という分野。
もうひとつの事業分野が「電子部品向け薄板バネのスピード試作品製造」いう試作に特化した分野で、ミクロンオーダーの高精度で非常に小さいプレス加工製品になります。

裕美:ひや一!(驚)すごい!

小沢:これは微細技術コンテスト部門で優勝した加工品で。この小ささに14以上の成形が入っています。これは通信機器の部品なんですね。

裕美:試作に特化しているのはなぜですか?

小沢:開発のサポートのファクタが強く連携性の大切さから設計者とのコミュニケーションを必要とすることから、海外には依頼し辛い面があります。

裕美:設計者とのコミュニケーション?

小沢:試作製品についてコストや利益も考えながら、生産技術の面からディスカッションしています。設計者の負荷は年々増加していて、一人の設計者で多くの開発案件を抱えていたりという様に。出図も思う様にいかないなんて事も発生してくるんです。

裕美:そうすると意向を汲んでくれる相手というのはとても助かりますね。

小沢:弊社では設計者の作図中から相談に乗っています。生産技術面の意見などを伝えて、量産を見据えた開発期間の短縮と市場性にマッチする品質・コストを提案してる事が他社と異なるアプローチです。試作とはいえ、最終的には製品として市場に出すのが目的ですからね。

裕美:それで他社より早いんですよね?以前あたり前のことだと思って、この辺の価値に気が付いてなかったとおっしゃってましたけど(笑)

小沢:確かに・・・今まで当たり前に対応していたサポートでしたから。ただ、新規ユーザーの方に喜ばれたこと等を通して気づき始めました。開発部品の品質と作り方がバランスできないと、量産時にこれらの部品が効率よく生産されないと、組立工程が進まず出荷が出来ません。たとえ、安価なコストの部品でも品質問題や納入に時間が掛かる形状では困りますしね。開発時点で、スピーディで加工性の良い部品構成にできれば、よりリスクの削減の影響は大きいといえるから。

小沢:今までは職人的板金のイメージの会社でも成長可能な時代だったとも思いますが、今後はチームビルディングされた組織を持った会社が伸びていくと思うんですね。だからこれからの仕事はチームメイトが成果が出る様に動いて、評価していく様にしたいという希望があります。

裕美:そうすると、チームを作っていくということですね。

小沢:そうなんです。とはいえ実際には具体的な人材育成なんてやったことがなくて・・・。それが、はらしま会計さんの経営計画書セミナーに参加しようと思ったきっかけでもありました。

裕美:補助金申請のために経営計画書を作成したりしたことはありましたよね?

小沢:あはい(笑)。それらの経営計画書は「絵に書いた餅」的でしたね! 確かに作りましたけど、正直まるで別の会社の資料の様でしたもの。(苦笑)

裕美:それはもったいない。(笑)

小沢:説明しても伝わらないですよ。内容は正しいかもしれないけれど、一人ひとりが理解し辛いものより、みんながイメージできて実行できるものが欲しいと思いました。

裕美:一般的にいう経営計画書は、ほとんどが銀行からお金を借りるための事業計画書で、本当の意味での経営のための計画書ではないんですよね。

小沢:「仏作って魂入れず」みたいな。だからセミナーの内容をお聞きしたとき、これはと思って即決しました。
経営計画書は「シナリオ」
裕美:実際に参加されてみていかがでしたか?

小沢:経営計画書は例えるなら「シナリオ」だと思いました。会社の将来というストーリー(物語)を描いて、そこにみんなに参加してもらうこと。

裕美:シナリオ? 社長らしい発想ですね!

小沢:そうですか?(笑)

裕美:でも確かに、自分はどの役で、どのシーンで動いて、なんてセリフを言えばいいか、みたいなもんですね。

小沢:そうですよね。最悪ストーリーなんか分からなくたって、まずそんな風にって動いてもらえば形になり始めるし、後から通して見てみたらそれが繋がって、こんなストーリーの物語だったんだって分かってもらってもいいので。

裕美:そうですよね。経営は目的にあわせた動きなら結果につながりますからね!

小沢:でもその「シナリオがなかった!」って思いました。なくてもやってこれた時代もあったと思いますが、自分だけのことではもうなくて。20人弱の社員がいれば、その家族は凡そ4倍の80人、取引先をいれたら軽く100人以上の人の生活に影響してしまうんですからね。
経営理念は「気づいて築く」
裕美:ほかに学べたことはありましたか?

小沢:言葉の認識をあわせないといけないということも学びましたね。

裕美:あぁ、「使う言葉の認識をあわせないとだめですよ」ってところですね。

小沢:そうです。同じ「早く」でも人によって基準が違うこと。人の認識の数だけ真実の数があるってことですよね。

裕美:そうなんです。

小沢:それから「気づいて築く」という言葉をみつけたんですよね。顧客志向は忘れたくないし、変化に対応し続けながらいつまでもそうありたいと。これを経営理念にしていこうと思っています。

裕美:いい言葉ですよね。「小沢イズム」と社長が表現した小沢製作所の「強み」をわかりやすく表現した言葉だなあって感心しました。

小沢:お客様の困っていること足らないところやニーズの変化に気づくこと。気付けて、それに対応することでお客様との信頼をしっかり築いていきたいという想いです。これは社内でも一緒だと思います。同じチームの仲間が困っていたら気づいて助ける。足らないところは補い合う、ひとりで抱えない。悩みは分散して、楽しさや豊かさはみんなで2倍、3倍にと。

裕美:いいですね。後は発表して実行するだけですね。そこもしっかりサポートしていきますね!

小沢:それから、このセミナーはワークショップ的な要素を取り入れていて、一般的な受け身一辺倒のセミナーではなかったですね。複数の参加者と発表を通じてお互いにディスカッションし合う事で、より客観的な意見や提言もその場で貰える事なんて、とてもラッキーでしたもの。
あ、最後にいいですか?魅力発信の事業として、チーム作りを目的の一環として11月に商工会議所主催で行われる「おうめオープンファクトリー」への参加を決めたんです。簡単にいえば工場見学会ということなんですが、一般の方が普段入れない工場に入れる機会は、チームメイトにとっても普段経験していることではないですが一生懸命エスコートします。興味がある方は是非ともご参加ください。

裕美:わかりました。(笑)